見れば見るほど好きになるザイアンス効果(単純接触効果)の見落としがちなポイント

こんにちは、ヒューイ(@free30303)です。

マーケティング、広告、心理学は互いに密接に結びついています。

なので、心理学用語がマーケティングで広く知られていたり、マーケティングと広告で共通認識があったり、ということはよくあります。

今日はそのなかでもザイアンス効果(単純接触効果)について多くの方が見落としているポイントについて話してみます。

この記事を読んで分かることザイアンス効果(単純接触効果)ついて多くの方が見落としているポイント

ザイアンス効果(単純接触効果)とは

ポーランド生まれのアメリカの社会心理学者ロバート・ボレスワフ・ザイアンス氏が1968年に発表した論文に書かれていたことです。

『ある刺激に繰り返しさらされることで、刺激に対する態度の変化が生じる』すなわち『単純接触効果』を提示しました。

これは非常にざっくりと『繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果』とまとめられていて、『ザイアンスの法則』『ザイアンス効果』などと呼ばれています。

これが、広告業界にとっては非常に『美味しい話』と認識されたわけですね。

広告は繰り返し打たなければ効果が出ない

僕は新聞広告などは扱ったことはありません。

が、先輩方に伺うと、昔は『ザイアンスの法則』を利用してお客さんに

「新聞広告は繰り返し打たなければ効果が得られません」
「効果を得るためには最低7回は必要という研究結果があります」

と言ったとか言わないとか……

最低回数7回というのはザイアンス先生は言ってません笑

しかも最低回数は9回という説も、11回という説もあり……笑

しかし、毎回同じ広告を打っているということが企業ブランドへの信頼を作るということは分かります。

よく売れている雑誌の広告はほぼ毎回同じ企業が占めていて、なかなか空きが出ないのだそう。たしかに月刊誌など毎号同じ場所に同じ企業の広告があったりしますよね。

『単純接触効果』はウィキペディアでもこのように解説されています。

初めのうちは興味がなかったり、苦手だったりしたものも、何度も見たり、聞いたりすると、次第によい感情が起こるようになってくる、という効果。たとえば、よく会う人や、何度も聞いている音楽は、好きになっていく。

人間の性質としてそういうことがあるなら、広告会社にとって非常に都合の良い話です笑

実際にザイアンス博士がやった実験

ザイアンス博士はべつに広告会社のために実験をやったり論文を書いたりしたわけではありません。

実際にザイアンス博士がやった実験は、以下のようなものでした。

漢字をまったく知らない人たちに漢字を繰り返して見せ、その字に対する印象を被験者に聞くーー。

これにより、ランダムに表示された漢字のなかで表示回数が多かったものに好感を抱いた人が多かった、という結果が出ました。

これを漢字以外にも、でたらめのスペルの単語や顔写真についても実験しています。

効果を感じやすいのは音楽

何回も接触すると好感をもつというのは誰でも体験していると思います。

コンビニに行くと毎回聞かされる音楽、ドラマのオープニングとエンディング曲、CMで繰り返し使われているジングルなどですね。

何度も聞いているうちに好きなような錯覚に陥ってきます。

初めて聴いたときに「なんだこれ、変な曲!」と思った曲でさえ、毎回聞いているうちに「いいかも」と思ってしまったりします。

見落としがちな重要ポイント

ザイアンス博士は、漢字や顔写真だけじゃなくて音や匂いや味でも実験していました。

その結果、好意が増したものでも、効果がすぐに失せてしまったものと、効果が持続したものがあったそうです。

短時間にひんぱんに接触したら「好きかも」と思ったけど、時間が経って改めてよく見てみたら「なんかそうでもなかった」ということですね。悲しいです笑

それから、ザイアンス博士は顔写真で実験していますが、たしか女性の被験者に男性の顔写真を見せていたと思います。男性の顔写真をランダムに見せて、好感度について質問したところ、回数が多く表示された人が好感を得た、というものです。

でもこれ、実際の人間関係だったら、そうは簡単に行かないということは、指摘されれば誰でもすぐに気づくと思います。

最初に「嫌い」「好きじゃない」と思われてしまったら、何度もしつこく会おうとした場合、逆効果になる可能性もありますよね

ここは非常に重要なポイントです。

見た目の問題ではありません

ただ単純に何度も接触していれば好感度が上がるわけではありません。

しかし、最初の印象が「好きでも嫌いでもない」というフラットなものでしたら、ひんぱんに会うことで高感度を上げることは可能です。

ここで興味深いのは、容姿がブサイクだとダメということではないそうです。
イケメン・美女でも最初の印象が「キライ」だったら、接触すればするほど嫌われる可能性もあり。

第一印象をくつがえすだけの努力が必要、ということですね。

それにしても短時間にひんぱんに接触したら「好きかも」と思ってしまう、っていうのは、ある意味衝撃的ですね。

あなたの役にも立ちますよ

さて、ここまでお話してきて『ザイアンスの法則』、いかがでしたでしょうか。

「いや、自分は広告とはやらないんで関係ないです」

とか言わないでくださいね。きっとあなたにも役に立つと思います。

つまり、今回の記事のポイントは以下のようなことです。

この記事のPOINT

好感を持ってもらうためには
◎ まず初回で嫌われないこと(好きでも嫌いでもない状態ならOK)
◎ ひんぱんに接触すること

Twitter、YouTube、Instagram、そしてブログでも。

すべてに関して、単純接触効果を狙っていくのがいいんです^^